就業規則で会社を守る

毎月の給与計算アウトソーシングを依頼して下さっているお客様先で、

社員の退職に関して労務トラブルに発展するかもしれない事態が発生しました。

 

社長は「規則は会社を縛り付けるもの」という考えが強く、

また従業員も少ないため就業規則は作成されていませんでした。

※従業員が10人未満の企業においては就業規則の提出は義務付けられていません

 

結果として今回はトラブルになることなく済みましたが、

今はネット掲示板やSNSでたくさんの人から簡単にアドバイスをもらえる時代です。

 

「それって不当解雇だよ!」

「そんなに働いて労基法違反じゃないの?」

 

本人が気付いていなかったことでも、誰かがこう助言すればあっという間にトラブルに発展します。

 

たとえ会社側に落ち度はなくても、頭の中にしまい込んでるだけの規則ではなんの説得力もありません。

労使間で共有された明確な規則がないという時点で完全に不利なのです。

 

就業規則を作るのは面倒だと思われている経営者様も多いでしょうが、

わざわざ頭を悩ませ新たに規則を設ける必要はありません。

 

「有給休暇は年間〇日とれますよ。」

「こんな事をしたら解雇になりますよ。」

 

普段当たり前に思っていることを書面化するだけでいいのです。

 

就業規則は会社をガチガチに縛り付けるものではなく、いざという時に会社を守ってくれる心強い味方です。

 

社長の考えを変えることは難しいかもしれませんが、これを機に少しでも必要性を感じてもらえたらと思います。

そして、就業規則の本質を理解してもらう努力をすることも社労士の大事な役割だと感じさせられた出来事でした。

 

 

社会保険労務士 横山

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